フローリング塗装でリフォーム!コーティング・塗装の種類やアイデア
公開日 2025年3月29日 最終更新日 2025年3月29日

フローリングは、戸建てやアパート、マンションなど幅広い住居に用いられている床材です。
フローリングの原料は木材なので、経年劣化で汚れや傷、塗装の剥がれなどが生じます。長年住み続けていると、これらの症状が目立ち、「フローリングを綺麗な状態に戻したい!」と思うことでしょう。
フローリングは、塗装やコーティングを行ってリフォームすれば、新築のような美しさを取り戻すことができます。
色付きのペンキで塗装すれば、部屋の印象をがらりと変えることも可能なんですよ!
今回は、フローリングを塗装やコーティングでリフォームする方法について解説していきます。
コーティングの種類や塗装のポイント、それ以外のアイデアをまとめますので、ぜひ最後までご覧ください。
フローリングの寿命はどれくらい?
フローリングとは、木材を使用した床材の総称のことです。
フローリングは木材の種類によってさまざまな種類に分けられ、それぞれ寿命(耐用年数)が異なります。
- 無垢フローリング 50~60年
- 合成フローリング 10~15年
- クッションフロア 10年
このように、フローリングの種類によって耐久性が異なるため、寿命を過ぎて老朽化が激しい場合は張替えが必要になる場合もあります。
しかし、生活上大きな支障がないレベルの劣化であれば、フローリングを塗装でリフォームする方法も選択できます。塗装リフォームは、張替えに比べて費用が安く、DIYでも可能です。
「まだまだ使える!」という状態であれば、フローリングを張替えなくても、コーティングや塗装で十分綺麗にできます。DIYでもできるのが嬉しいですね!
フローリングの手軽なリフォームはコーティングと塗装の2通り!
フローリングを手軽にリフォームする方法として、コーティングと塗装の2通りの方法が挙げられます。どちらもフローリングを保護する役目を果たしますが、機能や仕上がりが異なるため、各特徴を理解した上で選びましょう。
コーティングの特徴
コーティングとは、床に専用の塗料を塗って保護膜を形成し、外的ダメージや劣化から保護するものです。フロアコーティングとも呼ばれます。
コーティングを行うと、フローリングにツヤが出て見映えが良くなります。
水性のワックスとは異なり、コーティングは主に油性成分でできているため、耐水性や耐傷性、耐薬品性、耐熱性に優れたメリットがあります。フローリングをあらゆるものから守る機能があるため、長く住み続けたい場合やペットのいる家庭におすすめです。
塗装の特徴
塗装とは、床にペンキやオイルなどの塗料を塗って、外的ダメージや劣化から保護するものです。住宅におけるフローリング塗装は、床塗装と呼ばれます。
使用する塗料にもよりますが、フローリングの色や質感を変えられるため、部屋全体のイメージチェンジを行う際に最適です。床塗装を行うと、フローリングの傷や汚れ、凹凸が見えなくなるため、簡易的な補修の役割も果たします。
塗料は、使用する溶液の違いで水性と油性に分けられます。
内装塗料については、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
コーティングの種類と特徴を比較
一般的に住宅で使用されているコーティングの種類と特徴を比較してみましょう。
耐久年数が長く、機能性が高いコーティングほど価格も高い傾向にあります。
コーティング塗料を選ぶ際は、用途や目的、予算を照らし合わせることが大切です。
UVコーティング
耐久性はもちろん、耐水性や耐薬品性に優れたコーティングです。ウレタン樹脂を主成分としたコーティング剤を用います。光沢感が強く、高級感のある仕上がりになるので、部屋が明るく見えます。
ただし、UVコーティングは塗料を硬化させるため、業務用の紫外線照射機が必要になります。自然乾燥では対応できないため、DIYでの施工は難しいです。
ガラスコーティング
耐久年数が長く、耐傷性や防カビ性に優れているコーティングです。二酸化ケイ素を主成分としたコーティング剤を用います。UVコーティングに引けをとらない性能を持ちますが、光沢感はやや抑えめです。
DIYで施工できないことはないですが、失敗してもやり直しができないため、あまりおすすめできません。
シリコンコーティング
十分な耐久性や耐水性を持ち、光沢感のある仕上がりになるコーティングです。シリコン樹脂を硬化させたものを主成分とするコーティング剤を用います。
性能のバランスが良く比較的安価、DIYも可能ですが、重ね塗りには適さない性質がある点に注意。年数が経って重ね塗りする必要が生じたら、下地処理を行った上で施工しなければなりません。
ウレタンコーティング
耐久性や光沢感があまりなく、保護性能もほかのコーティングに劣りますが、費用が安価なので低予算でも導入できます。ウレタン樹脂を硬化させたものを主成分とするコーティング剤を用います。
硬い塗膜を形成するため、重ね塗りをすると割れやすくなります。剥離が可能なので、DIYでメンテナンスできるのは利点といえます。
アクリルコーティング
適度にフローリングを保護できるコーティングで、アクリル樹脂を主成分とするコーティング剤を使用します。フローリングにツヤが生まれますが、耐久性はあまり期待できないため、定期的に重ね塗りをする必要があります。
低価格でメンテナンスしやすいため、DIY初心者でも施工しやすいです。
フローリング塗装には無臭無害な水性塗料がおすすめ!
コーティングは、フローリングの保護機能が高いものが多いですが、DIYでの施工が難しいものもあります。
また、見た目の変化として、光沢感が出るため、高級感や清潔感を演出できます。ただし、色を変える・模様を付けるなど独創性をプラスすることは難しいため、部屋の印象を大きく変えたい時は塗装の方をおすすめします。
長時間過ごす部屋のフローリングには、快適さが求められるため、無臭無害な水性塗料が適しています。
オーガニックの水性ニスなら人体への影響なし
フローリングに自然なツヤを与えられるのがニス塗装のメリットです。ニスには油性と水性の2種類がありますが、油性ニスはVOCの発生源とされているため、フローリングの塗装には向いていません。
VOCとは、揮発性有機化合物のことで、蒸発しやすく、大気中で気体になる化学物質の総称です。主に塗装や建設工事、印刷などの事業で排出されますが、一般家庭やオフィスからも排出されています。
VOCは大気汚染・シックハウス症候群・呼吸器疾患など、環境や人体にさまざまな被害をもたらすものです。
水性ニスにもVOCが含まれるものはありますが、油性ニスに比べて低VOCであることが多いです。
中でも、オーガニックの水性ニスなら、人体への影響がなく安心して使用できます。
赤ちゃんのいる部屋や子供部屋のフローリングにおすすめです。
水性ペンキならフローリングに塗っても安心安全
フローリングの色を変えたい時は、水性ペンキで塗装する方法がおすすめです。
ニスと同様、ペンキも油性のものは高VOCの傾向にありますが、水性のものは低VOCやゼロVOCの製品が多いです。
水性ペンキというと「油性ペンキより耐久性がない」「水ですぐに落ちる」というイメージがあるかもしれませんが、実はそうではないのです。
水性ペンキも、完全に硬化すれば強靭な膜が出来上がるため、水をこぼしたからといってすぐに落ちてしまうことはありません。
水性ペンキの中には、耐水性や耐薬品性、耐摩耗性などに優れた製品もあるため、用途に応じて使い分けてください。
ただし、一般的な水性ペンキには、VOCやその他化学物質が含まれているため、「完全に無臭無害なペンキがいい」「化学物質を少しでも減らしたい」という人は、オーガニックの水性ペンキを選びましょう。
時短や賃貸物件でのアイデア
コーティングや塗装する時間がない場合や、賃貸物件などでコーティングや塗装ができない場合は、「貼る」「敷く」タイプのアイテムでフローリングをアレンジしてみませんか?
たとえば、木目調のフロアタイルを貼れば、フローリングの張替え・塗装なしで簡単にリフォームできちゃいます。賃貸物件であれば、接着剤不要の「置くだけ木目フロア」がおすすめです。
上の画像は、私の部屋を撮影したものです。ジョイントマットと呼ばれるものを、床の上に敷いています。ジョイントマットは、部屋の印象を簡単に変えられる上、フローリングに直接傷がつくのを防げるのが最大のメリットです。
足音やちょっとした物音を軽減する効果もあるため、賃貸物件にお住まいの方におすすめです!
DIYでコーティングや塗装を行う方法と手順
DIYでコーティングや塗装を行う際は、コーティング剤や塗料を塗る前に、下地処理をしっかりしておくことが重要です。
まずは、フローリングについた汚れや埃を除去し、傷がある場合はサンドペーパーで補修しましょう。水に濡らし、固く絞った雑巾で拭き、表面を滑らかにしてください。
下地が整ったら、コーティング剤や塗料を塗っていきます。
コーティング剤の塗り方
- コーティング剤をハケにつけ、フローリングの端部分を塗ります。
-
- つづけて、床全体に均一になるようコーティング剤を塗っていきます。
- 重ね塗りをする場合は、完全に乾いてから再度施工します。
水性ペンキの塗り方
- ローラーでは塗りにくい端部分をハケで塗ります。
- 床全面を、部屋の奥から出入り口に向かってローラーで塗っていきます。
- 木目を残す場合は薄めに塗り広げてください。木目を消す場合は一旦乾燥させ、2度塗りをしてください。
水性ニスの塗り方
- ニスをゆっくりとかき混ぜ、成分が均一になるようにします。
- 水性ニス用のハケを用いて、フローリングの端から塗り始めます。
- 乾燥しないうちに床全面をローラーで塗ってください。
- 2〜4時間乾燥させ、2度塗りをします。3度塗りをする場合も、同様の作業を繰り返します。
コーティング剤やペンキ、ニスを塗るときは、コテ刷毛やフロアコーティング用のモップなどを用いると作業が楽になります。
まとめ|フローリング塗装でリフォームする時は、塗料の成分にも注意が必要
今回は、フローリングのコーティング・塗装でのリフォームについて解説しました。
DIYで作業することを念頭に、環境や人体への影響も考慮しておすすめの塗料をご紹介しましたが、いかがでしたか。
コーティングは高価なものほど光沢感が強く、保護機能にも優れています。その反面、DIYが難しい、価格面で導入しづらいデメリットがあるため、DIYで作業したい方はシリコン・ウレタン・アクリルを検討しましょう。
また、塗装についても、ニスやペンキはVOCの少ない水性のものがおすすめです。
フローリング塗装でリフォームする時は、仕上がりや耐久性も大切ですが、それ以上に「塗料の成分が住む人にとって安全か」という点に着目してください。
皆さんによってベストなコーティング・塗料を見つけ、リフォームを楽しんでくださいね!

担当ライター
WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。
化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!