公開日 2022年10月11日 最終更新日 2022年10月31日
✔︎ 白い壁紙の部屋にアクセントカラーを入れたい
✔︎ 汚れの気になる壁紙を塗装できれいにしたい
✔︎ 中古住宅のリフォームをDIYで安くリフォームしたい
など、既存の壁をDIYリフォームを検討してる方から
「クロスは、そのまま上から塗装したほうがいいのか?剥がさないとダメなの?」
とお問合せいただくことが多くあります。
結論としては
クロスは拭き掃除してそのまま塗装出来ます。
壁紙はきれいに剥がれにくい
壁紙を剥がすと裏紙が残ります。
これをきれいに剥がすには霧吹きなどで水を含ませて紙をふやかして、ヘラで地道に剥がさなければなりません。石膏ボードに貼られている場合は石膏ボードの表面も紙なのでボードの紙を一緒に剥がしてしまうと今度は補修することになります。壁紙の裏紙と石膏ボード表面の紙が接着剤や糊で貼られているので剥がすと毛羽立ちも。
参考に:壁紙を剥がす作業をする場合は、糊が剥がれやすい温度と湿度の高い環境で行うのがお薦めです。寒くて乾燥している日と比べると作業効率が変わります。
多少裏紙が残っても、毛羽立っても、その後塗装することで、ある程度きれいに出来ますので剥がしてからの塗装も可能です。剥がしてきれいに仕上げたい婆は塗装用の壁紙を貼り直してからの塗装という方法もあります。
化学物質過敏症の場合は剥がすと体調悪化の懸念
フォースターの壁紙でも可塑剤や接着剤に基準値内ではありますが、ホルムアルデヒドやその他のVOCが存在します。壁紙の有害物質は揮発しにくく数十年経っていても剥がすと中から有害物質が出てくることがあり、敏感な方は体調不良に悩まされるケースがあります。
もし壁紙を貼った状態で体調が悪くならないようであれば、剥がさずそのまま上から塗装がお薦めです。過敏症などの敏感な方は事前に塗料サンプルで体調に変化がないか確認してから作業をしてください。
事前準備 油分や汚れ、埃などは取り除く
塗装の前に油分や汚れ、埃などはきれいにしましょう。
油分や残っていると塗料との密着が悪くなります。
汚れがあると時間が経つと塗膜に汚れが浮いてきます。
埃などがあると塗装時に塗料に混ざってドロドロの塗料を塗装することになりきれいに塗装出来ず、剥がれの原因になることがあります。
面倒なことはしたくないからペンキで一気にきれいにしたい!かもしれませんが、塗装は下地が大事!後々後悔しないように作業前に掃除を計画してください。
掃除しても油分や汚れが残る場合は、下地塗装をして塗装するのが安心です。
掃除の例
・メラミンスポンジで掃除して、水拭きで仕上げる
メラミンスポンジは水だけで汚れ落ちが良く使いやすい。洗剤を使わないので、洗剤残りを気にしなくて良い。メラミンスポンジのカスが残らないように注意。
・中性洗剤や石鹸水で拭き掃除し、水拭きで仕上げる(強いアルカリの洗剤は避ける)
油汚れにはやっぱり洗剤がスッキリ掃除できる。私はウタマロ(中性)セスキ水(弱アルカリ)のスプレーなどを使っています。
・スチームクリーナーを使う。
古いマンションのダイニングキッチンの天井掃除、上向いての掃除で大変、と途方に暮れて試しにスチームクリーナーでやってみると油分も埃もきれいに!その代わり汚れは周りに散ります。養生が出来れば早くきれいになるのでは?
掃除を適当にやった失敗ケース(私の個人的経験より)
寝室の壁(石膏ボードにフラットな紙の壁紙)を塗装して、古ぼけた壁がお気に入りの色になって喜んでいたら、数日後一部の壁がパリパリと浮いて触ると剥がれてしまいました。
寝室でそんなに油分の汚れはないだろうと、埃を落とせば良いかな?とざっと掃除して塗装したのですが、剥がれた部分は照明のスイッチ近く。就寝前にハンドクリームを塗る習慣があるのでその手でスイッチパネルを探して触っていたあたり。塗装は下地が大事!手を抜いて後悔しても時すでに遅し。
手直しするにはサンドペーパーで地道に平滑にしてその部分を再塗装。
最初からきちんと掃除したほうがよかったです。
養生、マスキングする
作業時に思わぬところにペンキをこぼしたり慣れない作業時にローラーをぶつけてしまったり。
ペンキをつけたくないところ、ものには事前にしっかり養生しておきましょう。
私の経験だと思っているよりも養生は時間がかかります。労力も使うので、安全に塗装作業をすることを考えると前日までなど、余裕を持ってある程度やっておくことをお勧めします。マスキングテープを貼るところに埃や油分があるとテープが付きません。壁紙の掃除をする際にマスキングする箇所の埃や油分もきれいにしておくと良いです。埃だけなら刷毛などで取り除きながらテープを貼ってください。
ペンキは均一に
仕上げの良さのためにはペンキを均一に塗装すること。
まずはローラーに均一につけます。
しっかりと量を含ませたのち、ペイントバケツのメッシュやペイントトレーの段々の部分を転がして余分な塗装量を落とし、均一に含ませます。
ローラーへの適切な量は塗装時に垂れない、擦れないが目安です。
垂れる場合は量が多すぎ、掠れる場合は少なすぎです。
端(入隅)は刷毛やミニローラーで先に縁取り塗装します。
縁取り塗装が乾いてしまわないうちにローラーで面を塗装します。
規則的に上下、その後左右と塗るときれいです。
ローラー選びですが、壁紙は凹凸のあるものが多いですよね。凹凸のある場合、ローラーの毛が届くように中毛から長毛ローラーを使うと良いでしょう。
凹凸があると表面積が大きくなるので塗料は塗装目安より多く必要になります。余裕を持って用意するのがお薦めです。塗料にはロットがあるので、ロットが変わると微妙な色違いが起きることがあります。
2度塗すると仕上がりがきれい
塗装の多くは2度塗すると仕上がりがきれいです。その余裕を持った時間の計画と塗料の量を用意すると良いと思います。
1度目の塗装後、ペンキの説明書、仕様書に記載されている乾燥時間を目安に乾かします。
手で触ってつかないようになるタッチドライ(表面が乾いている)から、触った時にサラッとする(中まで乾いている)ところまで待ちます。中が乾いていないまま上から塗装すると、塗膜がベロッとめくれてしまい、結果ムラに。2度塗できれいに仕上がらなくなってしまいます。
凹凸のある壁紙だとペンキが溜まるところがあると乾きにムラが出ます。全面が乾いたことを確認して2度目の塗装をしてください。
私が作業した時の経験だと、乾くのをじ~っと待っていると、早く乾かないかな?もう再塗装できるかな?と焦って進めてしまい、失敗しがちです。この間にランチを食べるなど他のことをして過ごすのがお薦めです。
マスキングは半乾きの状態で取り除く
2度塗が乾くときれいになっているのではないでしょうか?
もう一つ、注意しておくことがあります。
マスキングテープは塗装が半乾きの状態で撤去です。
早く取りすぎると、テープを取った所に塗料が流れてしまったり、テープと一緒に飛び散ってしまいます。
完全に乾いてしまうと、テープと塗料が固まって取れなくなったり、テープと一緒に塗膜が剥がれてしまいます。
触ってつかないタッチドライ程度のタイミングを見計らって、そーっと優しく一部を剥がしてみてください。大丈夫そうなら、引き続き優しくそーっと剥がします。
勢いに任せて引っ張るとトラブルになるかも!気を抜かないで優しいままの作業をお勧めします。
家具などは1日以上置いて設置する
塗装は約1ヶ月かけて水分が完全に抜けます。(水性塗料の場合)
塗った直後の塗膜はまだ水分が多く柔らかいので、家具などを設置するのは1日以上おいてからです。詳しい期間は塗料の説明書・仕様書を参照してください。
室内塗装には水性塗料 可塑剤対応 ゼロVOC
塗料には油性塗料と水性塗料があります。水性塗料には有機溶剤が多く含まれており、匂いもあります。匂いは簡単になくならず数日続きます。低VOCの水性塗料を選ぶのがお勧めです。
VOCは入っていないのが理想です。ゼロVOCの塗料もあります。塗料選びの際は色や質感だけでなく、成分も気にしてみましょう。
水性塗料の中でも壁紙塗装ができると記載されたものを選ぶのもポイントです。壁紙には可塑剤が使われており、ペンキの成分と可塑剤が反応してベタつきが出ることがありますので要確認です。
慣れると楽しいペイント
注意点を述べてきましたが、難しい作業ではありません。一度やると手順がわかり楽しめます。
お子様の成長に合わせて、また季節の模様替えなどお部屋のカラーを変えるなどご家族で作業を楽しんでいただけます。ぜひ気軽にDIYペイントに挑戦してみてください!