公開日 2022年9月12日 最終更新日 2023年11月13日
いつもは気にしていなかったけど、家具を移動したら壁紙の汚れが気になった!
中古物件を安くリフォームしたい!
気分転換にお部屋の色を変えたい!
そんな時は壁紙をDIY塗装でリフレッシュしませんか?自分で、家族や仲間と作業して仕上げたお部屋は愛着が湧いて住み心地がアップします。
このページでは
- どんな壁紙でも塗装できる?
- どんな塗料でもいいの? 色選びのコツ
- そのまま塗装するのか剥がして塗装するのか?
- 壁紙の修復は必要?
- 下地は必要?
- 壁紙の掃除はどうしたら?
どんな壁紙でも塗装できる?
一般的な塩ビクロスはそのまま塗装ができます。
ただ防汚加工がされていると塗料も弾かれやすくなりますので、端で試し塗りしてみると安心です。塗料を塗って少し経つと、弾かれて水滴のようにダマになってしまう壁紙は残念ながら水性塗料の塗装に向いていません。
不動産屋さんのスタッフがDIYで壁紙塗装。
エコスオーガニックチョークボードペイント 001クレイブルー使用
どんな塗料でもいいの? 塗料の選び方 安全性・成分
室内環境を汚染しないペンキを選ぶ
DIYでの室内塗装には、油性塗料に比べ、有害物質も匂いも少ない水性塗料がおすすめです。油性塗料は密着は良いのですが、匂いがきつく、有害物質も多いので室内空気を汚染します。室内には使わないようにしてください。塗装して匂いで気分が悪くなったり体調が悪くなっても部屋の壁からは逃れられず、数日~数週間は匂いが続きます。
上記のテストで塗装ができる壁紙・クロスであれば水性塗料の密着で問題なく、剥がれの心配はなく、水拭きでの掃除も出来ます。
VOCという言葉を聞いたことがありますか?
揮発性有機化防物、Volatile Organic Compoundsの頭文字をとっています。VOCは200種類以上あるとされていますが、人間には有害で環境汚染やシックハウスの原因です。揮発性=蒸発して気体になるので空気を汚染して、呼吸として私たちの体内に取り入れられてしまいます。空気より重いのでお部屋の下の方に多く浮遊するため子供やペットに影響が大きいことや、就寝時の呼吸で取り入れられやすいので注意が必要です。
有機化合物の多くは水に溶けにくいため、体内に取り入れられると尿などで排出されにくく、脂肪に蓄積されます。
塗料によってVOCの量が違います!
塗料は乾燥して硬化し、塗膜になります。
油性塗料は有機溶剤が揮発して塗膜になり、水性塗料は水が蒸発して塗膜になります。有機溶剤にはVOCが含まれており油性塗料はVOCを排出しながら乾燥して塗膜になるのです。水性塗料は油性塗料に比べればかなり少ない量になりますので室内塗装には水性塗料を選んでください。
塗装が完全に乾燥するには約1ヶ月と言われています。
低VOC塗料 ゼロVOC塗料
水性塗料は低VOCです。
低VOCと表記しているものもありますが、水性塗料での低VOC表記には基準がありませんので他の水性塗料より極端にVOCが低いとも限りませんが多くも無いという感じでしょうか。
ちなみにフォースター F☆☆☆☆は建築基準法のシックハウス対策として規制された「ホルムアルデヒド」の放出量が基準値以下であるということです。ホルムアルデヒドはVOCの1つです。日本で規制されているVOCは2種類「ホルムアルデヒド」が使用面積によって基準値以下であることと「クロルピリホス」は使用不可であるということです。
フォースターなので安全とされていますが、ホルムアルデヒドは基準値以下の少量ではあるが入っているということになりますので、敏感な方は注意が必要です。
低VOC塗料よりもVOCが少ないのがゼロVOC塗料です。
日本ではゼロVOC塗料の表記には決まりがありません。海外では国により基準値以下のほとんどゼロであれば表記できる場合もあります。
ただ限りなく少ないという点で塗料選びの参考になります。
ただし化学物質過敏症の方など敏感な人はゼロVOCとされていても完全にゼロでない場合があったり、VOC以外のものに反応することもあるので事前にサンプルで体調に影響がないか確認することをお勧めします。
どんな塗料でもいいの? 塗料の選び方 可塑剤の影響
塩ビクロスには柔軟性を与えるためにフタル酸エステル系の可塑剤が使われています。その成分が塗膜に移行してしまうとベタつきが出ます。このベタつきは消えません。
塗料の成分により可塑剤の移行がしやすいものとしにくいものがあります。壁紙塗装ができるとされているペンキを選べば、ベタつきが出ることはありません。壁紙をDIY塗装する際は自分でペンキ選びをしなくてはなりませんので、その点を確認して選んでください。
壁の色で気分が変わる 色選びのコツ
壁は白にしておけばOK!?
白い壁はシンプルでインテリアの邪魔をせず、部屋が明るくなるし広く見えます。では真っ白の「白」「ホワイト」表示のペンキを選べば良いのでしょうか?
真っ白は色の特性として隠蔽性が低く、いわゆる透けやすいとかカバー力が低い色。つまり塗装するとムラになりやすい色なんです。真っ白以外にもいろんな白がありますよね?少しイエローが買っているクリーム色系やグレーっぽい白、赤みのあるピンクっぽい白など少し他の色味が入っているだけで隠蔽性が高くなってDIYで塗装しても綺麗に仕上がりやすくなります。
色は深層心理にも大きく影響します。お部屋の壁の色を変えるだけで気分をコントロールできるかもしれません。アクセントカラーとして壁一面を色で塗装しませんか?色の心理効果は大雑把に以下のように言われています。
赤 気分を高揚させて、元気ややる気を引き出す前向きな印象
黄 明るく元気で幸せや輝きを感じる印象。注目を集める効果から危険や警告を伝える色でもあります。
緑 安らぎや落ち着きや癒しを感じる色。リラックスや疲労回復に使われる色。
青 沈静効果を感じる色で気分を落ち着かせたり集中力を高める色
ただし、明度や彩度によっても感じ方が大きく変わります。また光が太陽光なのか照明なのかによっても見え方が変わります。色選びは疎かにせず、その部屋の使用用途や光の入り方を考慮に入れて選ぶのがお勧めです。カラーの印象や効果を画像とともに詳しく解説している本も沢山出ています。参考にするとイメージしやすくなりますので使って見ましょう。
エコスオーガニックペイントは実際に塗装した色見本(無料)を用意していますので塗装する場所に貼って数日過ごしてみるのがおすすめです。
壁紙はそのまま塗装するのか剥がして塗装するのか?
塗装は下地の凹凸を拾います。塗装下地により仕上がりの質感が多少変わります。塩ビクロスに塗装すると木材やボードに塗装するより少し艶っぽく仕上がります。仕上がりの希望により判断するしかありませんが、基本的にはそのまま壁紙の上からの塗装が良いと思います。壁紙の下地はどうなっているかというと、石膏ボードを貼って、ジョイントにはパテを施して補強、平滑にし、壁紙用の糊で壁紙を貼ってあります。壁紙の裏紙と石膏ボードの表面の紙が糊で接着されているので剥がすと裏紙が残ったり、裏紙が残らず剥がせてもボードの表面が毛羽立ちます。ボードの部分とパテの部分では塗料の吸い込みがパテの方が大きく色が濃く出たりと色ムラになるので、壁紙を剥がした場合は下塗りをすると仕上がりがよくなります。
DIYで塗装する際に難しいのは下準備の判断です。希望する仕上がりに合わせて下地の状態をどのような状態に整えるのか?手間やコストも変わりますので、優先させることを決めて判断するのがスムーズです。
化学物質過敏症のように敏感な方は剥がす際には体調面で注意が必要です。壁紙や糊の有害物質が剥がすことで空気に触れて揮発し、体調を悪くすることがあります。内部に数十年経っても有害物質が残っているケースがあり、空気と触れると気体となってお部屋の空気中に浮遊します。壁紙を貼った状態で体調に問題がない場合は壁紙を貼ったままにしておくのが良いでしょう。塗装に使う塗料はゼロVOCのエコスオーガニックペイントをご利用ください。有害物質が完全にゼロで無臭なので住みながらの作業でも安心です。
事前に体調に影響がなく使えるかサンプルで試せます。
壁紙の修復は必要?
塗装は下地の凹凸をそのまま拾います。壁紙は凹凸のあるものが多いのですが、塗装するだけで平滑にすることはできません。事前にパテで埋めておく必要があります。破れなども同様です。
このような端のめくれなどは事前に修復しておくと仕上がりが綺麗です。
塩ビは熱可塑性樹脂なので温めると柔軟になります。ドライヤーの熱風をしばらく当てるとめくれの癖が治しやすくなります。
温めて癖を直したところでコーキング剤で接着し直します。
下塗りは必要?
基本的に塩ビクロスには直塗で塗装ができます。
ただ、下地塗装をすべきか迷った際は、しておいてマイナスはありません。仕上がりが良くなり、耐久性が上がります。
下地塗装した方が良いケース
・掃除しても汚れが残ってしまう場合は汚れ浮き、アク浮きを防ぐために下地塗装が必要です。
・クロスに模様が入っていたり、色が均一ではない場合は隠蔽性の高いグレー下地を塗装しておくと下地が透けません。
・紙のクロスなど吸い込みが大きい素材には吸い込み留めとして下塗りをすると良いです。特に凹凸のある紙クロスだと厚みのあるところは塗料の吸い込みが大きく色が濃く出るのでムラになります。下塗りしておけば均一に塗装ができます。
壁紙の掃除はどうしたら?
汚れの気になる古い壁紙を、ペンキ塗りでさっと綺麗にしたい!
とはいえ、綺麗に仕上げるためには掃除は必要です。
ポイントは埃と油分を取り除くこと。
埃がついたままだとローラー塗装時にローラーに埃がついてペンキが埃入りのドロドロペンキになり綺麗に塗装できません。
油分が残っているとその部分の密着がよくないので乾燥後塗膜のひび割れや浮き、剥がれが起こります。
壁紙を貼ってからどのくらい経っていますか?その間どのくらいの頻度で掃除をしていたでしょうか?
思ったより埃や油分で汚れていますので面倒ですが、ぜひ掃除をしてから塗装してください。
- クロスやはたきを使用して埃を優しく取り除く。
- 固く絞ったクロス・雑巾でしっかりと水拭きをして壁紙についた汚れを落とします。油汚れには中性洗剤や石鹸水を使って拭き掃除します。
- 乾拭きして水分を拭き取ります。
前日までにやっておくと楽な準備
壁紙の補修や掃除は前日までにやっておくのがおすすめです。
補修でコーキングしたり、掃除で水拭きをすると乾燥まで待つ必要があります。時間を気にして急いで作業すると仕上がりに影響します。余裕を持って作業ができるのは安全面の確保でも重要ですので、当日は塗装に集中できるようにしましょう。
- クロスやはたきを使用して埃を優しく取り除く。
- 固く絞ったクロス・雑巾でしっかりと水拭きをして壁紙についた汚れを落とします。油汚れには中性洗剤や石鹸水を使って拭き掃除します。
- 乾拭きして水分を拭き取ります。