黒板塗料を石膏ボードに塗装するポイント
公開日 2023年3月13日 最終更新日 2023年11月28日
日本の建築だと壁や天井には石膏ボードが貼られていることが多いですよね。新築する際でも、石膏ボードを使うのが一般的です。
そこに黒板塗料は塗装ができるのか?という質問が多く寄せられます。
石膏ボードに黒板塗料は直接塗装ができます。
希望の仕上がりにより、下塗りをした方が良い場合などがありますので、私たちに寄せられるお問い合わせを例に、いくつかのケースごとに塗装手順や方法を説明します。
石膏ボードの表面は「紙」紙には水性塗料が塗装できる DIYもOK!
そもそも石膏ボードとは何でできているのでしょうか?
石膏ボードは石膏を芯材とし、両面を石膏ボード用原紙で覆ってボード状に成型した建築内装材。表面は紙で覆われています。つまり紙を塗装することになるので、水性、油性にかかわらずペンキは塗れます。DIYでの塗装も難しい塗装ではありません。
黒板塗料を石膏ボードに塗る際の注意点 考慮すること
《耐久性》
紙で作った黒板になるので、耐久性は高くありません。塗装でコーティングされますが、黒板になると書いたり消したりしますので、素材の強度も欲しいところです。使用方法や頻度によっては懸念点になります。
以前ご連絡いただいた私たちのお客様のお話で、お絵描き好きのお子さんが毎日何度も書いては消しを繰り返して遊んでいたら、中の石膏が出てきてしまったとのことでした。そのご家庭では、シナベニヤを壁に貼って新たに黒板塗装をするとのことでチョークボードペイントを新たにご注文をいただきました。
別のインテリアショップでは石膏ボードの壁に直塗して季節ごとにチョークでの案内やイラストを書き換えるという使い方をされていますが、何年も問題なくご使用いただいています。
《吸込み》
石膏ボードは塗料の吸込みが大きい素材です。紙も石膏も塗料をよく吸う素材ですので、塗装面積目安より多少多めに塗料が必要になるかもしれません。黒板塗装の場合、黒板として快適に使用するためには一定以上の塗膜の厚みが必要です。規定の量を直接塗装しても黒板としての使い心地が良くない場合は、上塗りして膜厚をつけると問題が解消します。
下塗りが必要なケースは?下塗りはした方がいいの?
ボードにパテをした場合は下塗りして吸込み止めをする
ボードを複数枚使用する際には、つなぎ目やビス頭をパテを使って平滑にしますよね。そのような状態で黒板塗装する場合はシーラーやプライマーといった塗料で下塗りをしてから黒板塗装をします。パテは石膏ボードよりも吸い込みが大きいため、色が濃く出てしまいますのでせっかく平滑にしたのに、パテの部分は色が濃く出てしまう仕上がりになるのです。
下塗りは吸い込みを止めてくれるので、黒板塗料を均一に塗装できるようになります。
ボードが汚れている場合下塗りをして汚れ浮きを止める
時間が経過して、ボードにあく浮きや汚れうきがある場合は、下塗りをして塗膜への汚れうきやあく浮きを防ぎます。
塗装の下塗りはメイク下地と似ています
下地で凸凹や色ムラを整えてから上塗りをすると仕上がりが綺麗になり、耐久性も上がります。塗装回数が一回分増えたり、コストや作業時間も多少増えてしまいますが、下地塗装をするかしないか?迷った場合は下地塗装しておいて損はありません。
壁紙が貼ってある石膏ボードの場合は?
室内の仕上げだと石膏ボードに壁紙を貼って仕上げるのが一般的なので、中古リフォームなどで一番良くあるケースかもしれません。そこに黒板塗装する場合はどうしたら良いのでしょうか?
実はこれが判断が難しいんです。
壁紙が平滑なタイプであればそのまま壁紙に塗装するのがおすすめです。壁紙の凹凸は塗装で拾います。そのままの凹凸のまま仕上がりますので黒板としてはガタガタで描きにくかったり消しにくかったりします。それでもチョークで書くことは出来ますし、消す際も黒板消しだと残りやすいと思いますが、水拭きでしっかり拭けば消えます。
チョークで書いた感じ ガタガタがわかります
黒板消しで消すと この程度の凹凸なら問題なく消えます
水拭きで綺麗に!
エコスオーガニックチョークボードペイントは可塑剤でのベタつきが出ないので、壁紙への黒板塗装にはおすすめです。
壁紙を剥がして塗装 きれいに剥がすのが難しい!
壁紙を剥がして塗装すれば壁紙の凹凸問題は無いのですが、壁紙は綺麗に剥がすのが難しいんです。石膏ボードの表面(紙)に糊をつけて壁紙を貼るのですが壁紙の接着面である裏も紙なので紙と紙を糊付けしてあることになります。剥がしても裏紙が残るケースが多いのです。
この場合裏紙部分を霧吹きでしっかり濡らして浮かせると取れやすくなります。この霧吹きを障子剥がしのスプレーを使ったり、石鹸水を使ったり、水分が乾かないようにラップなどで覆ったりと剥がす工夫もできますが、剥がした後に毛羽立ちが出たり、ボード側の紙も一緒に剥がれることがあります。
剥がす場合は剥がしたほうがメリットが大きいのか?壁紙の上からの塗装が良いのか?検討してください。
どちらも上手くいかなさそうだな、黒板として使い勝手の良いものにしたい!という場合はシナベニヤで黒板を作って貼り付けるなど
壁に設置する方法を採用するのもお勧めです。
以上石膏ボードに黒板塗装をする際に、よくある質問のいくつかのケースを説明しました。
もしこんな場合はどうしたら良いの?ということがあればどうぞお問合せくださいませ。