シナベニヤ合板で黒板を作りました 黒板塗料の塗装手順【木材編】
公開日 2023年8月30日 最終更新日 2023年11月28日
私たちは2009年から黒板塗料を輸入販売しています。
もうひと昔以上になってしまいました。
最初はカナダのタイラノ社のチョークボードペイントを輸入販売。
その当時日本では販売されていなかった、水性塗料の黒板塗料でカラー展開もカラフルな10色展開。
黒板って緑や黒でなくてもいいんだ!とインテリアライフスタイルの展示会出展時に言われたのも遠い思い出になりました。
黒板塗料は何に塗るのがいい?
水性と油性のものがあり、塗装できるものは多少異なりますが
黒板としての使用を考えると、
木材、石膏ボード、壁紙、鋼板、家具、建具、コンクリート壁などが一般的でしょうか。
黒板としての使用は、平滑である程度の硬さがあると使いやすいです。
例えば塩ビクロスは可塑剤が入っており柔軟性があるので描きやすさとしてはさほど良くないので、頻繁に使うものには向きません。
また塗装は凹凸を拾います。
凸凹したものやざらざらしたものだとチョークでの書きやすさ、消しやすさに程度により問題が出ます。
チョークボードペイントを10年以上販売してきた私たちが、一番多く塗装方法を説明するのが、合板です。
そして合板の中でも私たちがお勧めするのは「シナベニヤ」への塗装です。
黒板塗装にシナベニヤをおすすめする理由
平滑さです。
木目が細かいので塗装が平滑に仕上がりやすく、手に入りやすい木材としてシナベニヤは優れています。ホームセンターに行けば購入できます。
ベニヤ売り場に行くと、ラワンベニヤとシナベニヤがあります。
見比べるとわかるようにラワンはシナより粗い木目です。
塗装は凹凸を拾いますので、ラワンだと塗装後でも木目が見てわかります。
黒板として使用した際には木目にチョークの粉が入り込みやすく、消す際も残りやすくなります。
黒板としての使用には少し難があるのですが、それが味だと好む方もいらっしゃいます。手作り感を出すには木目の残るラフな仕上がりもいいんです!
頻度高く使いたい場合や、綺麗に描いたり消したりしたい場合は、値段はラワンより少し高いのですが、シナの方がおすすめします。
シナももちろん木目はあるのですが、パッと目にはわからない程度の仕上がりになり、書き心地もとてもいいので、いろんな人が使うような黒板の場合でも安心です。
個人住宅の工務店さんが施工する際にも採用率が圧倒的に高い素材です。
画像を交えて具体的な塗装手順、綺麗に仕上げるコツを説明します!
今回はA4サイズのシナベニヤでミニ黒板を作ります。
大きさが変わっても手順は同じです。
壁に貼ってパテで繋ぐ場合も基本的には同じですが、パテの工程の説明はここではありません。
木材の塗装準備
木材塗装教会の故戸崎会長に教えていただいた、木材塗装の際の準備です。
水分を含むと木の細かい繊維が立ちます。特にベニヤだとその処理はされずに販売されていますので、塗装前にやっておくと仕上がりがグンと変わります。
ホームセンターで購入したA4サイズのシナベニヤ
作業台にマスカーを貼ってます。
よく塗装の際に古新聞紙などとありますが(最近は新聞が家にないかな?)
紙は塗料を含むとブヨブヨになって扱いがよくありません。
ビニールなど吸い込みのないものの方がおすすめです。
水分を木材に含ませます。
ベストは50度のお湯を木目に沿って刷毛で塗ります。
一時野菜の50度洗いが話題になりましたよね?
この温度が一番吸い上げられやすい温度だそうです。
50度を測れない場合は、沸騰したお湯と水道水を同量合わせると、ほぼ50度になるそうでその程度の温度管理で十分だそう。
もっと簡単に作業をするなら、ゆるく絞ったタオルで木目に沿って拭いて水分を含ませます。
気温湿度により乾燥時間は変わりますが、15分から30分程度で乾きます。
乾いた時点では細かい木の繊維が立った状態ですので、手で触ると突き刺さりますので注意。
ここで仕上げ用の240番程度のサンドペーパーを当てます。
これも木目に沿って行い、立った繊維を取り除きます。
これで、今後水分を含んだとしても木の繊維が逆立つ心配はなくなります。
サンディング後の木の粉は刷毛やブロワーで綺麗に取り除いておいてください。
いよいよ塗装 下塗り
状況により下塗りが必要なのか、不要なのか判断します。
下塗りは化粧下地のようなイメージで、
ファンデーションをそのまま塗っても問題はないけど
より仕上がりにこだわりたい場合や、
長持ちさせたい場合、
肌の調子が悪いのでカバーしたい場合には、下地を整えますよね?
塗装の下地の主な機能です。
吸い込みを止める
汚れうきを止める
アク浮きを止める
今回はパテは使いませんが、
壁にベニヤを貼る際など、ビス頭と繋ぎ目にパテ処理をした際は
パテ部分と木材部分の吸い込みに違いがあるとムラのある仕上がりになります。
よくあるのは、パテ部分の吸い込みが大きいのでその部分の色が濃く出てしまうトラブルです。
せっかく均一な仕上がりを希望してパテを施したのに色ムラが出るのは残念ですので、下塗りをして吸い込み留めをしておきます。
汚れのある木材に塗装する場合は、事前に油分や汚れ、付着物を取り除いて綺麗にして塗装します。取りきれない汚れがある場合は下塗りをして、汚れうきを止めておきます。直塗りすると、時間が経つと汚れが塗膜に浮いてきてシミのようになります。
木材は時間が経つとアクが浮いてくることがあります。
これも下塗りで止めておくことができます。
今回のようにホームセンターで購入したばかりの綺麗な木材であれば
下塗りをしなくてもほぼトラブルはないと思います。
新しくても長く使いたい、アクが出てきた時に目立ちやすい色を塗装する場合は下塗りしておくと心配がないですね!
コストや作業時間は増えますが、下塗りは迷ったらしておくことをお勧めします。
いよいよ黒板塗料を塗装
実は塗装は準備の方が手間がかかります。
仕上がりはもうすぐ!
下地が完全に乾いたら、黒板塗料を塗装します。
メーカーの仕様書を確認して十分な塗布量を塗装してください。
一般的には2度塗りのものが多いです。
人により1度の塗装に使う塗料の量が変わるので、面積からおおよその塗料の量も管理しておくのが良いでしょう。
というのは、黒板として使うには一定の塗膜の厚みが必要です。
塗装が薄すぎると、チョークでかけるけど、消しにくく黒板として使いにくいものになります。
その場合は上塗りして膜厚をつけると解決します。
黒板として使うまでに
黒板として使うには、十分に乾燥させてからです。
メーカーの仕様書に記載があるのを確認してください。
塗膜が完全に乾くまでには約1ヶ月と言われています。
塗装してすぐは乾いていても水分が多い(水性塗料の場合)状態で柔らかい塗膜なので、どの時点でチョークを使って良いのかは確認が必要です。
チョークを使う前にやっておくと良い作業があります。
横にしたチョークを塗膜に擦り付けて、その後黒板消しで消し、
硬く絞ったタオルで水拭きします。
これは塗膜をよりスムーズな状態にして、今後の使い心地を良くするためです。
壁一面などでチョークを擦り付けるのが大変、という場合は
硬く絞ったタオルで拭いておくだけでも良いでしょう。