公開日 2023年7月31日 最終更新日 2023年8月20日
「添加物」と聞くとどんなことを思い浮かべますか?
あまり良くないもの、食品添加物=体に悪いものといったことを思い浮かべることも多いのではないでしょうか?
そもそも添加物の意味とは、添加するもの、後から加えられるものといった意味で、それ自体に有害である意味は全くありません。
防腐剤、防カビ剤など、菌を殺すために人体に影響のないとされる程度の有害物質を食品に添加する添加物がイメージしやすいために、少量で影響が直ちに出ないとはいえ、摂らない方が良いのでは?と
添加物は良くないもので、無添加という表示がある方が安心で安全、
という漠然としたイメージの方も多いのでは?
無添加というだけでは何が添加されていないのか?ということまではわかりません。何が無添加なのか?まで確認しないとイメージだけで選ばざるを得ないんです。
無添加塗料って安全ですか?
安全で安心な塗料を選びたい場合に
「無添加塗料」を選べば有害物質の入っていないものが選べるかというと、答えはノーではないでしょうか?
有害なものを使っていない=無添加ではありません。
塗料は何で出来ているの?
塗料は主に4つの成分で構成されています。
顔料
樹脂
添加剤
溶媒
添加物、添加剤というと良くないもののように感じることも多いのではないでしょうか?
塗料の添加剤に関しては、添加剤が入っていることで作業がしやすく、仕上がりがきれいになります。
水性塗料の添加剤の例
塗料の添加剤は塗料や塗膜の性能を向上させるために添加されます。
例としては以下のような添加剤があります。
可塑剤 かそざい 可塑とは思うように形が作れることをいい、塗料の場合は伸縮性、丈夫さ、たわみを調整します。
分散剤 成分を溶液に均一に分散させます
沈殿防止剤 成分が沈殿することを防止します
乳化剤 水と油(合成樹脂)を混ぜるときに界面活性剤として機能し、水と油の間に微小な乳状のエマルジョンを形成します。
増粘剤 塗料の粘度を増し、作業しやすく仕上げをよくする
消泡剤 塗装した時に出る泡を消す
防藻剤 藻の発生を防ぐ
防カビ剤 カビの発生を防ぐ
防腐剤 塗料の腐敗を防ぐ
たれ防止剤 塗料の粘度を調整したり、表面張力を変化させたりすることで、塗料の流れをコントロールします。均一な塗装をサポートします
など
塗料において有害なものとは?
塗料には多くの化学物質が含まれます。
中でも有害なものが多く含まれれいるのが
防虫成分
有機溶剤
添加物です。
特に室内の空気を汚染するのが有機溶剤です。
有機溶剤は脂溶性(体内の脂肪に残りやすい)揮発性(呼吸や経皮吸収で取り込まれてしまう)などという特徴があり、体内に摂取されると麻酔作用や皮膚作用、皮膚粘膜障害、肝障害、腎障害、末梢神経障害、象越障害などの中毒を起こします。
有機溶剤は油性塗料に多く含まれるので、油性塗料は特に室内での使用は避けるのが良いでしょう。水性塗料にも有機溶剤が少量ではあっても含まれているものも多いのでVOC(揮発性有機化合物)が完全にゼロの塗料を探すなど、敏感な方や有害物質の影響を得やすい新生児や子供、高齢者などのいる環境では特に注意してみてください。
塗料の添加剤に使われる有害化学物質の例
塗料の添加剤からの放散が予想される主な化学物質の具体例です。
ベンジルアルコール
エチレングリコール
酢酸エチル
酢酸ブチル
1,2,4-トリメチルベンゼン
トルエン
キシレン
n-ブタノール
ヘキサン
アセトン
イソブロピルアルコール
エタノール
メタノール
n-デカン
メチルイソブチルケトン
ブチルセロソルブ
エチルベンゼン
メチルエチルケトン
結論:無添加よりも有害物質が入っていないものを選ぶことが大事!
添加物に有害なものが多い傾向はありますが、
添加物=悪、という単純なことでもありません。
製品の性能を向上させる安全な添加物もありますので
無添加=安全、でもないので難しいところです。
より安全なものを選びたいのであれば、
製品の扱いを簡単にするために
一般的にすぐに健康障害を引き起こさないから大丈夫とされる有害なものを含む
製品を避けたほうが良いのではないでしょうか?
そのためには知識が必要ですが、
まずは気にして製品の説明を読んだりわからないことはメーカーに聞いてみるなどから始めてみるのが良いと思います。
私はシックハウス診断士や化学物質過敏症サポーターの資格を取得する際に勉強したのですが、
一見安全性の高いように思えるものに有害性が高いことを知ると良いように思いました。
例としては
「防カビ」 や 「抗菌」です。
少し考えるとカビなどの菌を殺すので人体にいいもののわけはないと
思えるのですが、カビや菌は嫌だなぁと思ってしまうので
きれいなのでは?清潔だろう、と選びがちです。
しかしカビや菌よりも害のある成分を摂取することになってしまいます。
さらに防カビや抗菌とされていても環境によりカビや菌は増えます。
カビや菌の発生を避けるには、湿気を避けて換気をし、湿度温度の管理をして菌を増やさないようにするという地道な環境づくりしかありません。
ご家族の健康で安全な環境づくりのために
参考にしていただければ幸いです。