新築 シックハウス対策ガイド
公開日 2024年8月22日 最終更新日 2024年8月23日
新築の家に引っ越したのに、思わぬ体調不良に悩むようになった、または目がチカチカしたり頭が痛くなるようになった、という方。それは「シックハウス症候群」と呼ばれる問題かもしれません。
新しい住まいに幸せを感じたはずが、頭痛やめまい、吐き気などの症状に悩まされるなんて、とてもつらい経験だと思います。一体何が原因なのか、どのように対策すればいいのか、まるでわかりませんよね。
そんなお悩みを解消するのが、この記事の目的です。新築の “シックハウス” の基本情報から、予防対策など、あなたの疑問にしっかりお答えいたします。この問題を解決する秘訣を掴んで、新しい住まいで心から安らげるようになりましょう。
シックハウス基礎知識
シックハウスとは、住宅内に存在する化学物質や環境要因が原因で、住人が体調不良を引き起こす状態を指します。これは特に新築に住み始めたり、リフォーム直後の家に入居した場合に発生しやすく、「シックハウス症候群」として知られています。
シックハウス主な原因
シックハウス症候群の原因は、住宅内や室内の有害物質が原因とされています。これらは主に以下の場所から放出されます。新築だと全てが新しい建材なので大丈夫と思われがちですが、実は新築だからこそ建材に気をつけなくてはなりません。
新しく使う素材に有害物質が使われていることが多いのです。
- 壁材や床材:特にビニールクロスや合板フローリングに使用される接着剤
- 塗料:塗料やニスに含まれる揮発性有機化合物(VOC)
- 家具:合成木材や接着剤を多用した家具
これらの物質が空気中に放出され、室内の空気質を悪化させることで、住んでいる人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
シックハウス症候群の症状
1. 呼吸器系の症状
シックハウス症候群では、特に呼吸器系の不調が多く報告されています。
- 喉の痛みやかゆみ:空気中の化学物質が刺激となり、喉の違和感が生じることがあります。
- 咳や息苦しさ:特に気管支に影響が出やすく、しつこい咳や深呼吸が困難になることがあります。
- 喘息の悪化:元々喘息を持っている人は、症状がさらに悪化することもあります。
2. 目や鼻の症状
目や鼻も非常に敏感な部位であり、化学物質によって以下のような症状が引き起こされます。
- 目のかゆみや痛み:刺激性の強い揮発性化合物が目を刺激し、かゆみや灼熱感を伴うことがあります。
- 目の乾燥:ドライアイの症状が強くなることがあり、目が乾いて痛みを感じる場合があります。
- 鼻のむずむず感や鼻水:アレルギーのような症状が現れることがあり、くしゃみや鼻水が出ることも多いです。
3. 頭痛やめまい
化学物質が神経系に影響を与えることで、頭痛やめまいが頻繁に発生します。
- 鈍い頭痛:持続的な頭痛があり、外出すると軽減することが多いです。
- 集中力の低下:化学物質の影響で頭がぼんやりとし、集中力が低下します。
4. 倦怠感や疲労感
シックハウス症候群にかかると、全身的な疲労感や倦怠感も顕著になります。
- 身体の重さやだるさ:特に自宅にいるときに身体が重く感じ、外出すると症状が和らぐことがあります。
- 慢性的な疲れ:十分な休息を取っても疲れが取れない場合があり、日常生活に支障をきたすことがあります。
5. 精神的な不調
長期的なシックハウス症候群は、精神的な不調も引き起こします。
- 不安感やイライラ:原因不明の不安やイライラが増し、精神的に不安定になることがあります。
- 抑うつ状態:継続的な不調が抑うつ状態につながることもあります。
シックハウス症候群の症状は個々の体質によって異なり、すべての人が同じ症状を経験するわけではありません。しかし、これらの症状が新築やリフォーム直後に現れた場合は、シックハウス症候群の可能性を疑い、対策を講じることが重要です。
これらの症状は、特に家にいる時に強く現れ、外出すると軽減する場合が多いです。下記で詳しく説明します。
シックハウスを防ぐための対策
1. 低VOC建材の使用
シックハウスの主な原因となる揮発性有機化合物(VOC)は、建材や家具から放出されることが多いです。これを防ぐために、低VOCまたはVOCフリー(ゼロVOC)の建材を選ぶことが重要です。
- 低VOC塗料:塗料の中には、VOCをほとんど含まないものがあります。これを使用することで、壁や天井からの化学物質の放出を抑えることができます。
- 接着剤やシーラント:合板やフローリングの接着に使われる接着剤にも、低VOCの製品があります。これを選ぶことで、床材からのVOC放出を防げます。
- エコマーク認定製品:日本のエコマーク制度では、環境に優しいとされる建材が認定されています。こうした製品を選ぶことで、シックハウスのリスクを低減できます。
- F☆☆☆☆(Fフォースター)製品:日本の建築材料や内装材において、ホルムアルデヒドの放散量が最も少ないと認定された製品に付与される最高ランクの等級。住宅の天井や壁、床材、家具、塗料など幅広い分野で使用されています。これにより、住まいの安全性が高まり、特に小さな子供や高齢者がいる家庭においては重要な選択肢となります。
そして、すべて新しい建材を使用する前に、もし今まで使っていた家具などが引き続き使えるならそれを残す方がいいでしょう。一般的に新しい建材や家具などからVOCが放出される場合が多いため、新しい建材よりもVOCがある程度放出された後の建材を使う場合がいい方もあります。
2. 換気システムの導入と適切な換気
化学物質の濃度を下げるためには、適切な換気が不可欠です。特に新築やリフォーム直後は、室内にVOCが多く存在するため、積極的な換気が必要です。
- 24時間換気システムの導入:新築住宅では、法律で24時間換気が義務付けられています。これにより、常に新鮮な空気が供給され、室内のVOC濃度が低減されます。
- 定期的な窓開け:機械換気に頼るだけでなく、可能な限り窓を開けることで自然換気を行い、化学物質を外に逃がします。
- 施工後の換気:塗装や接着剤の使用後は、数日間しっかりと換気を行い、VOCが完全に揮発するようにします。
3. 家具やインテリアの選択
家具やインテリアにもVOCを含むものがあるため、これらの選択も重要です。
- 天然素材の家具:無垢材や自然塗料を使用した家具を選ぶことで、化学物質の放出を抑えることができます。
- 低VOC家具:家具メーカーによっては、低VOC仕様の製品を販売していることがあります。これらを選ぶことで、室内空気質の改善に寄与します。
- 新しい家具の設置後の換気:新しい家具を導入した後は、数日間は特に積極的に換気を行い、化学物質の放出を軽減します。
- 古い家具のリフォームの塗装はできるだけVOCの含有量の低いものを使用し塗装後は換気をしてから搬入するなど心がける。
4. 室内環境の管理
シックハウスを防ぐためには、室内の環境管理も重要です。以下の点に注意しましょう。
- 湿度管理:適切な湿度(40~60%)を保つことで、化学物質の揮発を抑えることができます。また、湿度が低すぎると、目や喉が乾燥し、化学物質に対して敏感になることもあります。
- 空気清浄機の活用:空気清浄機を使用することで、VOCや他の有害物質を除去する効果があります。特に、活性炭フィルター付きのものが効果的です。
- 観葉植物の配置:一部の観葉植物は、空気中の有害物質を吸収する能力があるとされています。例えば、サンスベリアやポトスなどの植物を室内に配置することで、自然に空気清浄効果が期待できます。
まとめ 新築 シックハウスの対策を始めて、健康的な住まいを手に入れよう
新築でのシックハウス問題は、適切な対策を取ることで十分に予防できます。家づくりの計画段階から、低VOC建材の選択や十分な乾燥期間の確保など、意識的に取り組むことが大切です。
入居前の長期間の換気や、入居後の定期的な換気と室内環境測定も重要なポイントです。もし不安を感じたら、専門家への相談も躊躇わないようにしましょう。
これらの対策を実践することで、シックハウスの心配なく、健康で快適な新居での生活を送ることができます。家族の健康を守るため、ぜひこの記事で学んだ知識を活かして、安心して暮らせる我が家づくりに取り組んでください。