公開日 2023年2月13日 最終更新日 2024年6月21日
低VOCってどの程度で量なのか
塗料の低VOCの表記には基準があるのか?調べてみました。
塗料の有害物質として代表的なものがVOC。低VOCなので安全ですよ、と謳っている商品説明を見ますが、その低VOCの基準はあるのでしょうか?
ペンキといえば、シンナーの匂いがしばらく残って、、、というのはもう昔の話です。今でも油性塗料はもちろんありますが、室内塗料や外壁用でも水性塗料が主流です。
油性塗料はシンナーのきつい匂いがして有害物質は多く、家庭での使用には不向き。水性塗料は油性に比べると格段に有害物質は少なくなります。
VOCとは?
揮発性有機化合物 Volatile Organic Compounds のことで、200種類以上の成分があります。よくみなさんが聞くのは日本の建築基準法で規制されているホルムアルデヒドでしょうか?トルエンやキシレンなども VOCです。
人間の脳へのダメージやその他健康被害を起こし、環境のダメージ大気汚染の原因となります。
シンナーはpaint thinner。油性の塗料などを薄めるために用いられる有機溶剤のことでトルエンや酢酸エチル、アルコール類といったまさに揮発性有機化合物VOCです。
有機溶剤の怖いところは、中枢神経に麻痺を起こさせること。脂溶性なので呼吸や経皮などで体内に入ると、リン脂質で出来ている脳に影響が出るのです。VOCを避けたくなりますよね。特にお子さんや赤ちゃんなど低い位置に居ると、VOCは空気より比重が重く低いところに溜まりやすいので影響を受けやすくなるので要注意です。
低VOC塗料とは?表記の基準は油性塗料のみ
VOCは有害で避けるべきものであるので、塗料業界もVOCの少ない低VOC塗料にシフトしています。どのような塗料が低VOC塗料なのでしょうか?
日本で塗料といえば日本塗料工業会。(ニットコーと呼ばれることが多いですよね)
任意団体の塗料製造業の集まりとして設立された団体で、塗料の普及啓発事業をおこなっています。よく聞くのは色に関して、ニットコー(日塗工)の色番で色指定をしたりします。設計の人、工務店、塗装屋さんの多くの人が日塗工のカラーチャートを持ち、色番を伝えれば共通認識が出来るわけです。
日塗工は色だけでなく日本の塗料に関してさまざまな自主基準を設けており、低VOCの表記に関しても基準を示しています。
日本塗料工業会が設けた低VOC表記は
油性塗料においてVOCが30%以下の場合は低VOCと表記する
としています。
水性塗料の低VOCの基準は?
水性塗料のVOC量は10%にも満たないため、全てが低VOCと考えられ、低VOCを表記することの基準は設けていません。
つまり、水性塗料であれば低VOCと表記していてもされていなくても低VOCです。
VOCの量に差がある水性塗料と油性塗料 塗料は何で構成されている?
塗料はさまざまな役割の成分で構成されています。主なものとしては以下になります。
・硬化剤 塗膜になる硬さ・付着性・耐久性をもたすもの
・顔料 色をつける粉末
・添加剤 塗装しやすく、うまく塗装できるようにするためのもの。例としては消泡剤や増粘剤など
・溶剤 顔料と硬化剤(樹脂)をつなぐ液体(溶媒)
水性塗料と油性塗料の違いは溶剤
油性塗料は溶剤が有機溶剤 塗料を薄める際は有機溶剤のシンナーを使用する
水性塗料は溶剤が水 塗料を薄める際は水を使用する。
ゼロVOC塗料も!
近頃は日本でもゼロVOC塗料が販売されています。
お子さんのいる家庭や、住みながらのリフォームやDIY作業で使うペンキを選ぶ際には色や値段だけでなく、VOCのことも確認して選んでみてはいかがでしょうか?
せっかくの住まいを良くするための作業です。健康に安全に行ってください。